今回は電子署名についてです。
電子署名に関する法律・メリットの解説です。
「法律を読んでもいま一つイメージがわかない」
「メリットは?」
という方のご参考になれば幸いです。
電子署名とは
電子署名及び認証業務に関する法律の解説
「電子署名」とは、電磁的記録に記録することができる情報について行われるものです。
『電磁的記録』、つまり紙で印刷した書類ではなく、
ファイル形式で保存された「目には見えないデータ」に対し
・本当に作成者本人が作成したものであること
・作成し、署名を行ってから内容が変更されていないこと
の二つを証明することができるものです。
法的根拠としては、電子署名及び認証業務に関する法律(平成28年4月1日施行)で定められています。
・その情報が本人(当該措置を行った者)の作成に係るものであることを示すためのもの
・その情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるもの
「電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの」
のことです。
例えば、役所の申請窓口業務の場合を例にあげましょう。
今までは
受付の窓口に本人がやってきて
↓
免許証や住民票などの本人確認書類を提出し
↓
申請書類を記入して提出
↓
受理というのが従来の流れでしたが、
電子署名を利用することで
「本人がその内容を記載し署名を行った」
ということが証明されます。
電子署名を行った書類は法的に有効です。
「電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」
と上記の法律で定められています。
ただし、電子署名は厳格な基準を満たしている必要があります。
よく似ている「電子サイン」との違いを理解しておきましょう。
電子サイン・電子署名の違いについてはこちらの記事に記載しています。
↓
https://sns.yaoyorozu-hito.jp/gmoagree/
電子署名でできること
電子署名の仕組み
電子署名は
「本人確認」と「文書の真実性」
を示すものなので、以下のようなことに使うことができます。
・納税(国税電子申告・納税システム(e-Tax))
・年金情報照会
・パスポート(旅券)申請手続
・不動産登記申請
・法人登記申請
・企業での契約業務
など。
電子署名によるオンライン化が可能になります。
ただし、すべての文書が電子的に保存することが認められているわけではありません。
帳簿書類や領収書、注文書等の文書を電子的に保存することは
まだ法律で認められていません。
これらの書類は紙で保存する必要があります。
(2020年6月時点)
①緊急時に即座に確認する必要があるもの:船舶に備える安全手引書など
②現物性が極めて高いもの:免許証、許可証など
③条約による制約があるもの
などは現物での保存が必要です。
電子署名のメリット
電子署名を利用するメリットとして以下のようなものが挙げられます。
実際に行く、または書類の郵送をEメールで済ませられる
人間や紙の書類ではなくデータを送るので、時間や距離に関係なく送信することができます。
テンプレート化・システム化により入力が楽になる
手書きの場合の記入漏れや記入ミスなどに対応することも可能になります。
入力が必須な項目が空欄のままで有れば入力を完了できないようにしたり
ボールペンで書いてしまって訂正に印鑑が必要といったこともなくなります。
よく使う項目はコピー・ペーストで入力が楽になる
住所や氏名、経歴などよく使うけれど変わらないものに関しては、
コピー&ペーストで簡単に入力することができます。
書類によっては以前作成したもののデータを利用することも可能です。
印紙や住民票、切手代のコストが省略できる
内容によっては電子申請が可能になることで、これらのコストを削減することができます。
機械で読み取るので読み取りの負担軽減
字の読みやすさに関係なく、内容を読み取ることが容易になります。
保存コストの削減
紙媒体形式で保存するよりも、コストを削減することができると試算されています。
まとめ
電子署名に関する法律と可能な内容、メリットについて解説しました。
総務省のサイトはこちら
公的個人認証サービスのリンクはこちらです。
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