秋風が心地よく吹き、稲穂が穂を垂れる季節。そんな中、私たちは勤労感謝の日を迎えます。
仕事の成果や努力をたたえ、労働に感謝するこの特別な日。
その意義と由来を探ってみましょう。

勤労感謝の日の意味は？
1. 勤労感謝の日の由来
勤労感謝の日のイベント
1. 新嘗祭
2. どぶろく祭り
勤労感謝の日に何をする？
まとめ

勤労感謝の日の意味は？

勤労感謝の日は、『幅広く労働する人々への感謝の意を示す日』という意味があります。
労働そのものや仕事を尊重し、国民同士がお互いに感謝を表す日として設けられた祝日で、多くの人々が働くことへの感謝を示す日とされています。

勤労感謝の日が祝日として制定されたのは1948年のことです。
国民の祝日に関する法律には、「勤労をたたえ、生産を祝い、国民同士が感謝し合う日」という文言があります。
勤労感謝の日と聞くと、子供の頃は家族のために働く親に感謝を示す日だと思っていた方もいるかもしれません。
確かにその側面もあるかもしれませんが、実は勤労感謝の日の由来は少し異なっています。

勤労感謝の日の由来

勤労感謝の日の由来は、もともと宮中行事である「新嘗祭（にいなめさい）」に起源を持っています。
新嘗祭は、古来からの日本の風習であり、五穀豊穣を祝う行事です。この伝統的な儀式は、収穫した農作物を皇祖や神々に捧げる宮中行事で日本書紀にも記されています。今でも11月23日になると、天皇陛下が新しい収穫物を神々に奉納し、その年の農作物をいただくという習慣が続いています。新嘗祭は全国各地で行われており、収穫の季節に感謝を表す行事が広く行われています。

戦前、11月23日は新嘗祭の祝日でしたが、戦後に勤労感謝の日に変更し、宮中行事とは独立した祝日として定められました。もともと五穀豊穣を祝う行事が労働への感謝の行事に変わった理由については複数の説があります。その中でも有力な説の一つは、アメリカの祝日が影響を与えたというものです。アメリカでは11月の第4木曜日に「Thanksgiving Day」（感謝祭）が行われる習慣があります。このアメリカの祝日に、9月の第1月曜日に定められていた「Labor Day」（労働の日）の概念を組み合わせ、「Labor Thanksgiving Day」として制定されたという説があります。

日本の祝日には「ハッピーマンデー制度」があり、3連休を作るために毎年決まった日に祝日を定めるのではなく、月曜日を祝日にするというものがあります。
しかし、勤労感謝の日は毎年11月23日に固定されています。これは新嘗祭に由来しているため、特定の日付に固定されているのです。

勤労感謝の日のイベント

新嘗祭

勤労感謝の日には、新嘗祭を含むさまざまな行事が催されます。

新嘗祭は、今でも全国の神社などで11月23日に行われています。特に伊勢神宮や明治神宮の新嘗祭は有名です。伊勢神宮の新嘗祭は年中行事の中でも特に重要で、多くの観光客が訪れ、その年の収穫した新穀が天照大神に奉納されます。明治神宮でも同様に新嘗祭が行われ、農作物の奉納や野菜から作られた宝船の展示、巫女による舞踊などが行われます。これらの行事は観光客にも大きな魅力となっており、多くの人々が訪れる大きなイベントとなっています。

どぶろく祭り

また、勤労感謝の日には「どぶろく祭り」という行事も行われます。どぶろく祭りは、新米から作ったどぶろく（日本酒の一種）を神社に奉納する祭りで、9月から11月にかけて各地の神社で催されます。どぶろくは神に奉納されるだけでなく、参拝者にも振る舞われることがあり、神社や地域全体で楽しまれる大きなイベントとなっています。
特に白川郷のどぶろく祭りが有名で、多くの観光客が訪れるイベントとなっています。