フィナンシェは、焦がしバターの芳醇な香りとアーモンドの豊かな風味が特徴のフランス生まれの焼き菓子です。外側はカリッと香ばしく、中はしっとりと詰まった食感は、一口食べると幸せな気持ちになれる上品なおいしさがあります。
「本格的で難しそう」と思われがちですが、実は材料をひとつずつ丁寧に合わせていくシンプルな作業です。ポイントは焦がしバターの色と香りの見極め。ここさえ押さえれば、初心者でもパティスリーのような本格フィナンシェが自宅で再現できます。
この記事では、失敗しない基本のフィナンシェレシピを工程ごとに丁寧に解説します。焦がしバターの作り方・よくある失敗の原因・アレンジ・保存方法まで網羅しているので、はじめてフィナンシェを作る方もぜひ参考にしてください。
- ⏱ 準備:15分 / 焦がしバター:10分 / 焼成:12〜15分
- 👤 難易度:★★☆(焦がしバターのコツを押さえれば初心者OK)
- 🧂 材料:6つ(シンプルな本格配合)
フィナンシェとはどんな焼き菓子?
バターとアーモンドの香りを楽しむフランス菓子
フィナンシェはフランス語で「金融家」「資産家」を意味する言葉です。19世紀のパリで金融街の近くにあったパティスリーが考案したとされており、スーツを汚さずに片手で食べられるよう小さく焼かれたのがはじまりといわれています。卵白・粉糖・アーモンドパウダー・焦がしバターを合わせて焼いたシンプルな焼き菓子ですが、焦がしバターが生み出す芳醇な香りが格別で、素材の組み合わせから生まれるとは思えないほどの深みある味わいを楽しめます。
金の延べ棒のような形が特徴
フィナンシェの型は、金の延べ棒(インゴット)をモチーフにした細長い長方形が定番です。名前の「フィナンシェ(金融家)」とかけた洒落た形です。現在は長方形の型以外に、丸型・舟型(バルケット型)・マドレーヌ型などさまざまな型で焼かれることもあります。
焼きたてと翌日で食感が変わる魅力
焼きたては表面がカリッとする
焼き上がり直後は型から出した外側の表面がパリッとカリッとしており、噛むとサクッとした食感が楽しめます。このカリッとした食感は時間が経つにつれて変化していきます。
翌日以降はしっとり感が増す
焼いてから一晩置くと、バターとアーモンドの油分が生地全体になじみ、しっとりとした食感に変化します。どちらの食感が好みかで食べるタイミングを選ぶ楽しみがあります。ギフトにする場合は翌日以降のしっとりした状態が食べごろです。
家庭でも本格的に作りやすい理由
フィナンシェは卵白を泡立てる必要がなく、材料を順番に混ぜて焼くだけという比較的シンプルな工程で作れます。特別な道具も不要で、フィナンシェ型がなければマフィン型やパウンド型でも代用できます。焦がしバターの作り方を覚えさえすれば、あとは混ぜて焼くだけで本格的な味に仕上がります。
基本のフィナンシェレシピに必要な材料
| 材料 | 分量(フィナンシェ型8〜10個分) |
|---|---|
| 無塩バター | 80g(焦がしバター用) |
| 卵白 | 3個分(約90g) |
| 粉糖 | 100g |
| はちみつ | 大さじ1(20g) |
| 薄力粉 | 30g |
| アーモンドパウダー | 60g |
無塩バター
フィナンシェの命ともいえる材料です。有塩バターを使うと塩気が強くなりすぎるため、必ず無塩バターを使います。焦がしバターにすることで、バターそのものとは全く異なる芳醇でナッツのような香りが生まれます。
卵白
フィナンシェには卵白だけを使います。卵黄を使わないことで、アーモンドとバターの風味が際立つすっきりとした味わいになります。泡立てずにほぐして使うことが重要です。
粉糖
上白糖やグラニュー糖より粒子が細かい粉糖を使うことで、生地がなめらかに仕上がります。生地に均一に溶け込みやすく、きめ細かい食感を生み出します。
はちみつ
少量加えることでしっとり感が増し、フィナンシェに奥深い甘みと風味をプラスします。保湿性が高いため、翌日以降の食感維持にも役立ちます。アレルギーが気になる場合や1歳未満のお子さんへのプレゼントにする場合は省いてグラニュー糖で代用できます。
薄力粉
生地のつなぎとなります。フィナンシェはアーモンドパウダーの比率が高く、薄力粉は少量使用のレシピが多いのが特徴です。薄力粉が少ないほどしっとりした食感になります。
アーモンドパウダー
フィナンシェのしっとり感と独特の風味を生む重要な材料です。薄力粉よりもはるかに多い量を使うのがフィナンシェの特徴で、アーモンドパウダーの比率が高いほど本格的な風味になります。
材料選びで仕上がりが変わるポイント
皮なしアーモンドパウダーはバターの香りを引き立てる
皮なし(ブランチド)アーモンドパウダーは色が白くクセが少ないため、焦がしバターの芳醇な香りがダイレクトに感じられます。上品でなめらかな仕上がりになり、本格フィナンシェに最適です。
皮付きアーモンドパウダーはナッツ感が強くなる
皮付きのアーモンドパウダーは香ばしさとナッツの風味が強く、生地がやや茶色がかった仕上がりになります。素朴で力強い風味が好みの方に向いています。
はちみつを加えるとしっとり仕上がりやすい
はちみつに含まれる果糖は保水性が高く、焼成中の水分蒸発を抑える働きがあります。加えることで翌日以降もしっとりとした食感が続きます。
フィナンシェ作りの下準備
フィナンシェは下準備を丁寧に行うことで、焼き上がりの仕上がりが大きく変わります。焦らず順番通りに準備を整えましょう。
薄力粉とアーモンドパウダーをふるう
薄力粉とアーモンドパウダーを合わせてふるいにかけます。ダマを防いで生地にムラなく混ざるようにするための大切な工程です。アーモンドパウダーは粒子が粗いためふるいにかかりにくい場合がありますが、できるだけ細かくなるよう何度かふるいましょう。
型にバターを塗って冷やす
フィナンシェ型の内側全体に薄く無塩バター(分量外)を塗り、冷蔵庫で冷やしておきます。バターを塗ることで型離れが良くなるだけでなく、型のバターが焼成中に香ばしく焼けてフィナンシェの風味を高めます。薄力粉を振ってから余分を落とす「バター+粉」の方法も効果的です。
湯せんを用意する
生地を温めるための湯せんを用意します。60〜70℃程度のお湯をボウルに用意しておきます。
オーブンを予熱する
フィナンシェは高温で素早く焼くことが大切です。生地を流し込む前に200℃に予熱しておきましょう。予熱不足だと側面と底面の焼き色がつきにくく、香ばしさが足りない仕上がりになります。
焦がしバターを加える温度を意識する
焦がしバターは作ってから40℃程度まで冷ましてから生地に加えます。熱すぎると卵白が加熱されてしまい、生地のバランスが崩れます。温度計があると確認しやすいですが、手でボウルの底を触ってほんのり温かい程度が目安です。
失敗しない焦がしバターの作り方
焦がしバターはフィナンシェの命です。フランス語では「ブール・ノワゼット(beurre noisette)」と呼ばれ、「ヘーゼルナッツバター」という意味があります。ヘーゼルナッツのような芳醇な香りが生まれることに由来します。
小鍋にバターを入れて中火で加熱する
厚手の小鍋に無塩バターを入れ、中火で加熱を始めます。焦げをわかりやすく確認するために、なるべく鍋底が白いものを使うと色の変化が見やすくなります。
溶けたらホイッパーで混ぜ続ける
バターが溶け始めたらホイッパーで常に混ぜながら加熱を続けます。均一に熱が伝わり、色むらなく仕上がります。
泡の変化を見ながら加熱する
水分が蒸発して音が出る
加熱が進むとバターに含まれる水分が蒸発してパチパチという音が出始めます。この段階はまだ色はついていません。
大きな泡から細かい泡に変わる
水分がほぼ蒸発すると、大きなブクブクした泡から細かいシュワシュワとした泡に変化します。この変化が焦がしバター完成が近いサインです。
沈殿物が茶色く色づく
細かい泡の下に見える鍋底の沈殿物(乳固形分)がうっすら茶色く色づき始めます。この沈殿物の色が焦がしバターの色と香りを決める重要な部分です。
こげ茶色になったら火から下ろす
沈殿物がヘーゼルナッツのような薄茶色〜こげ茶色になり、香ばしいナッツの香りが立ってきたら火から下ろします。重要ポイント:色がついてからは数秒で焦げすぎになるため、目を離さず素早く判断することが大切です。
鍋を水につけて余熱による焦げを止める
火から下ろした鍋をすぐに冷水を張ったボウルや流し台に底をつけて冷やします。余熱でさらに焦げが進むため、この工程を省かずに行うことが大切です。
40℃程度まで冷ましてから生地に加える
焦がしバターをそのまま放置して40℃程度まで冷ましてから生地に加えます。完全に冷ますと固まってしまうため、ほんのり温かい状態を保ちましょう。
焦がしバターの詳しい作り方については、富澤商店のフィナンシェレシピ解説も参考になります。
基本のフィナンシェの作り方
手順1|卵白を泡立てずにほぐす
ボウルに卵白を入れ、フォークまたはホイッパーでコシを切るようにほぐします。重要ポイント:泡立ててはいけません。泡立てると生地に空気が入りすぎてしまい、フィナンシェ特有のしっとりと詰まった食感が失われます。サラッとした状態になればOKです。
手順2|粉糖とはちみつを加えて混ぜる
ほぐした卵白に粉糖を加えてホイッパーでよく混ぜ、続けてはちみつを加えてさらに混ぜます。粉糖が均一に溶け込むまでしっかり混ぜましょう。
手順3|湯せんで30〜40℃程度に温める
卵白と砂糖を合わせたボウルを湯せんにかけ、生地全体を30〜40℃程度に温めます。温めることで粉類が混ざりやすくなり、焦がしバターとの乳化もスムーズになります。
手順4|ふるった粉類を加える
湯せんから外し、ふるっておいた薄力粉とアーモンドパウダーを一度に加えます。ダマがなくなるまでホイッパーでしっかり混ぜ合わせます。
手順5|焦がしバターを加えて混ぜる
40℃程度に冷ました焦がしバターを細いすじ状に加えながらホイッパーで混ぜます。一度に加えると分離しやすいため、最初は少量ずつ加えて乳化させながら徐々に全量を加えましょう。
手順6|ツヤが出るまで生地をなじませる
全体をホイッパーでしっかり混ぜ、生地にツヤが出てなめらかになればOKです。ツヤが出ることで、バターと他の材料がしっかり乳化できているサインです。
手順7|型に生地を流し入れる
バターを塗って冷やしておいた型に生地を8割程度流し入れます。絞り袋を使うと均一に入れやすく、型の周囲が汚れません。生地を流したら型を軽く台に打ちつけて気泡を抜きます。
手順8|高温のオーブンで焼き上げる
200℃に予熱したオーブンで12〜15分焼きます。側面と底面にしっかりした焼き色がつき、表面がきれいなきつね色になれば完成です。焼き時間はオーブンの機種によって異なるため、10分以降は様子を見ながら調整してください。
手順9|焼き上がったら型から外して冷ます
焼き上がったらすぐに型から外し、ケーキクーラーや網の上で冷ましましょう。型に入れたまま冷ますと蒸気がこもって底面が湿ってしまいます。
フィナンシェの詳しいレシピについては、cottaのフィナンシェ解説記事も参考になります。
フィナンシェを本格的に仕上げるコツ
卵白は泡立てない
フィナンシェの生地に空気を必要以上に入れることは禁物です。泡立てた卵白を使うとケーキのようにふんわりした食感になり、フィナンシェ本来のしっとりと詰まった食感が失われます。コシを切るようにほぐすだけに留めましょう。
焦がしバターは色と香りを見極める
焦がしバターの色はヘーゼルナッツのような薄茶色が理想です。色が浅いと香ばしさが出ず、濃すぎると苦みが出ます。沈殿物の色と立ち上がる香りの両方で判断することが大切です。
焦がしバターの温度を高すぎず低すぎずに調整する
生地に加える焦がしバターが熱すぎると卵白が熱変性を起こし、冷たすぎると生地に均一に混ざりにくくなります。40℃前後を目安にして加えることで、なめらかに乳化しやすくなります。
粉類はふるってダマを防ぐ
アーモンドパウダーと薄力粉はふるうことで均一に生地に混ざります。ふるわずに加えるとダマが残りやすく、口当たりが悪くなります。
型にバターを塗ると風味よく仕上がる
型にバターを塗ることは型離れをよくするだけでなく、型の内面のバターが焼成中に香ばしく焼けてフィナンシェの風味を高めます。薄く均一に塗ることを意識しましょう。
焼成温度を下げすぎない
フィナンシェは高温(190〜210℃)でしっかり焼くことで外側に香ばしい焼き色がつきます。温度が低すぎると焼き色がつかず、べたっとした食感になりやすいです。
周囲にしっかり焼き色を付ける
フィナンシェのおいしさは周囲の香ばしい焼き色にあります。表面だけでなく側面・底面にもしっかり焼き色をつけることで、フィナンシェらしいカリッとした食感と香ばしさが生まれます。
フィナンシェ作りでよくある失敗と原因
生地が分離する
焦がしバターの温度が低すぎる
焦がしバターが冷えすぎて固まった状態で加えると、生地に均一に混ざらず分離します。常に40℃前後を保った状態で生地に加えましょう。
混ぜ方が足りない
焦がしバターを加えた後に混ぜが不十分だと分離した状態のままになります。ツヤが出るまでしっかり混ぜることで乳化が完成します。
べったりした食感になる
焼成温度が低い
低温で焼くと水分が十分に蒸発せず、外側に香ばしい焼き色がつかないため食感が重くなります。200℃でしっかり焼き上げましょう。
焼き時間が短い
焼き時間が足りないと内部に水分が残ってべたついた食感になります。側面と底面にしっかり焼き色がつくまで焼くことが大切です。
焦がしバターが苦くなる
加熱しすぎている
焦がしバターの沈殿物が黒く焦げた状態になると、ナッツの香りではなく焦げた苦みが出てしまいます。薄茶色になった瞬間に素早く火を止めることが大切です。
余熱で焦げが進んでいる
火を止めても鍋の余熱で焦げが進み続けます。火を止めたら即座に鍋の底を冷水につけて余熱をストップさせることが重要です。
香ばしさが足りない
焦がしバターの色づきが浅い
沈殿物が薄いきつね色程度ではまだ香ばしさが十分に出ていません。ヘーゼルナッツのような薄茶色〜こげ茶色になってから火を止めましょう。
溶かしバターで代用している
焦がさずに溶かしただけのバターでは香ばしさが全く出ません。フィナンシェの命である焦がしバターは省略できない工程です。
型から外れにくい
型に油脂を塗っていない
型にバターを塗っていないと生地が型に張り付いて外れなくなります。金属型は特にしっかりとバターを塗り、必要に応じて薄力粉を振ってから使いましょう。
焼き上がり後に冷ましすぎている
型に入れたまま完全に冷めると側面の油脂が固まって外れにくくなることがあります。焼き上がったらすぐに型から外して冷ますのが基本です。
焦がしバターと溶かしバターの違い
焦がしバターは水分が飛んで香ばしさが出る
焦がしバターはバターを加熱することで水分を蒸発させ、乳固形分をキャラメル化させることで生まれます。この過程でヘーゼルナッツのような芳醇な香りが生まれ、バターそのものとは全く異なる深みある風味になります。
溶かしバターは風味がやさしく仕上がる
溶かしバターは単に熱で溶かしただけのもので、水分や乳固形分はそのまま残っています。風味はバター本来のやさしいミルキーさで、クセがなく万人受けする仕上がりになります。
本格的なフィナンシェには焦がしバターが向いている
フィナンシェのレシピで溶かしバターを代用することは可能ですが、香ばしさと複雑な風味が大きく異なります。本格的なフィナンシェを目指すなら、焦がしバターは省略できない工程です。
仕上がりの食感や香りに違いが出る
焦がしバターを使ったフィナンシェは香ばしさが際立ち、側面の焼き色もきれいにつきやすくなります。溶かしバターを使ったものはよりやさしい風味で、ふっくらとした食感になりやすい傾向があります。
ベーキングパウダーは入れるべき?
ベーキングパウダーなしの特徴
しっとり詰まった食感になる
ベーキングパウダーを使わない生地は余分な膨張がないため、しっとりと密度感のある食感になります。フィナンシェ本来の詰まった食感を楽しみたい場合はこちらが向いています。
アーモンドとバターの風味を感じやすい
生地の密度が高いため、アーモンドパウダーの風味と焦がしバターの香りが濃く感じられます。素材の味を存分に楽しみたい方に向いています。
ベーキングパウダーありの特徴
ふわっと軽い食感になる
少量のベーキングパウダーを加えると生地が程よく膨らみ、ふわっと軽い食感になります。中心部までやわらかく仕上がりやすいのが特徴です。
初心者でも膨らみを出しやすい
ベーキングパウダーを加えることで焼成中の膨らみが安定しやすく、初心者でもふっくらとしたフィナンシェに仕上げやすいというメリットがあります。
好みの食感に合わせて選ぶ
本格的なフィナンシェを目指すならベーキングパウダーなし、ふわっと軽い食感を好む方やはじめて作る方はベーキングパウダーを少量(小さじ1/4程度)加えてみるのがおすすめです。どちらが正解ということはなく、好みで選んでください。
フィナンシェの日持ちと保存方法
常温保存する場合
フィナンシェは冷蔵保存するよりも常温保存のほうが食感が保ちやすいです。直射日光・高温多湿を避けた涼しい場所で保存しましょう。夏場は冷蔵保存を選び、食べる30分前に室温に戻してから食べると風味が楽しめます。
保存期間の目安
5日程度を目安に食べきる
常温保存の場合、焼いてから5日程度が食べごろの目安です。翌日から3日目あたりがしっとりと最もおいしい状態です。
乾燥を防ぐ保存のポイント
個包装にする
1個ずつOPP袋やラップで包むことで乾燥を防ぎ、風味を保ちやすくなります。ギフトにする際にも個包装が基本です。
密閉容器に入れる
個包装したものをさらに密閉容器やジッパー付き保存袋に入れると、乾燥とにおい移りを防げます。
食感の変化を楽しむ
焼きたてはカリッとする
焼きたての状態は型から出した外側がカリッとして香ばしく、アーモンドとバターの香りが最も豊かです。
翌日以降はしっとりする
翌日以降は油分が生地全体になじみ、しっとりとした食感に変化します。この「翌日のしっとりフィナンシェ」を好む方も多く、ギフトとしての食べごろは翌日から3日目頃です。
フィナンシェのアレンジレシピ
基本のフィナンシェをマスターしたら、素材を変えたアレンジで楽しみましょう。どれも基本の生地に材料を加えるだけで手軽にできます。
ココアフィナンシェ
薄力粉の一部をココアパウダーに置き換える
薄力粉30gのうち10〜15gをピュアのコーヒーパウダーに置き換えます。加える際はふるった薄力粉と混ぜ合わせてから生地に加えましょう。
チョコ風味で濃厚に仕上げる
焦がしバターのナッツの香りとチョコレートの風味が合わさって、リッチで深みのある味わいになります。チョコチップを生地に加えたり、上にのせてから焼くとさらにチョコ感が増します。
抹茶フィナンシェ
薄力粉の一部を抹茶パウダー(小さじ1〜2)に置き換えます。焦がしバターと抹茶の組み合わせは意外と相性が良く、和洋折衷の上品な味わいになります。焼き上がりの緑がかった色合いも美しいです。
紅茶フィナンシェ
アールグレイなどの紅茶葉を細かく刻んで生地に混ぜ込みます。大さじ1程度の茶葉で爽やかなベルガモットの香りが生地に広がり、上品な大人向けフィナンシェになります。
チョコチップフィナンシェ
型に生地を流し込んだ後、チョコチップを散らして焼きます。焼成中にチョコチップが溶けて生地に絡まり、食べるときにチョコの甘みが口の中に広がります。子どもにも人気のアレンジです。
ナッツ入りフィナンシェ
くるみ・ピスタチオ・アーモンドスライスなどをのせて焼きます。ナッツの香ばしさとフィナンシェの風味が相乗効果を生み、食感のアクセントになります。ギフト用にすると見栄えも良くなります。
はちみつ風味のフィナンシェ
はちみつを増量(大さじ2〜3)して焼き上げると、はちみつの花の香りが前面に出たしっとりリッチな仕上がりになります。好みのはちみつの種類によって風味が変わるため、アカシア・百花・レンゲなど産地や種類を変えて楽しんでみましょう。
フィナンシェのアレンジアイデアについては、macaroniのフィナンシェアレンジ特集も参考になります。
フィナンシェをおいしく楽しむ食べ方
焼きたてをそのまま食べる
焼き上がってすぐの外側カリッとした食感は、焼きたてにしか味わえない特別な体験です。アーモンドと焦がしバターの香りが最も豊かに感じられる至福の瞬間です。
翌日にしっとり感を楽しむ
一晩置いたフィナンシェは油分が生地全体にまわり、しっとりとした食感に変化します。バターとアーモンドの風味がより深くなじんで、落ち着いた美味しさが楽しめます。
コーヒーや紅茶と合わせる
フィナンシェのバターとアーモンドの風味は、コーヒーや紅茶の苦みと非常に相性がよいです。エスプレッソやアールグレイと合わせると、互いの風味を引き立て合います。
ギフトや手土産にする
フィナンシェは日持ちがよく個包装しやすいため、手土産やギフトとして最適です。翌日以降がしっとりして食べごろのため、1〜2日後に食べてもらえるようなシーンに向いています。やおよろず人では季節に合わせたギフト用焼き菓子のアイデアも紹介しています。
個包装してプレゼントにする
1個ずつOPP袋に入れてリボンをかけると、パティスリーのような見栄えのするプレゼントになります。バレンタインやホワイトデー・誕生日・クリスマスなどイベントシーンでも喜ばれる手作りギフトです。
フィナンシェレシピに関するよくある質問
フィナンシェは卵白だけで作るのですか?
はい、基本のフィナンシェには卵白のみを使います。卵黄を使わないことで、アーモンドパウダーと焦がしバターの風味が際立つすっきりとした味わいに仕上がります。余った卵黄はカスタードクリームや卵黄クッキーなどに活用できます。
焦がしバターはどこまで焦がせばよいですか?
沈殿物がヘーゼルナッツのような薄茶色〜こげ茶色になり、香ばしいナッツのような香りが立ったタイミングが理想です。黒くなる前に火を止めましょう。色だけでなく「香り」で判断することも大切です。詳しいレシピはクラシルのフィナンシェレシピも参考になります。
溶かしバターでもフィナンシェは作れますか?
作れますが、香ばしさと風味が大きく異なります。溶かしバターを使ったものはやさしいミルキーな風味になりますが、フィナンシェ特有のナッツのような芳醇な香りは出ません。本格的なフィナンシェを目指すなら焦がしバターを使うことをおすすめします。
フィナンシェにベーキングパウダーは必要ですか?
必須ではありません。ベーキングパウダーなしで作るとしっとり詰まったフィナンシェ本来の食感になります。ふわっと軽い食感にしたい場合や膨らみを安定させたい場合は少量(小さじ1/4程度)加えてもよいです。
アーモンドパウダーは皮なしと皮付きのどちらがよいですか?
本格的なフィナンシェには皮なし(ブランチド)アーモンドパウダーがおすすめです。クセが少なく焦がしバターの香りを邪魔しないため、上品な風味に仕上がります。皮付きはよりナッツらしい力強い風味になります。
はちみつを入れる理由は何ですか?
はちみつには保水性が高い果糖が含まれており、生地に混ぜることで焼成中の水分蒸発を抑えてしっとり感を保つ効果があります。また、はちみつ特有のやさしい甘みと花の香りがフィナンシェに奥深い風味をプラスします。
フィナンシェは何日くらい日持ちしますか?
常温保存で5日程度が目安です。翌日から3日目がしっとりとした最もおいしい食べごろです。直射日光・高温多湿を避け、個包装して密閉容器で保存しましょう。夏場は冷蔵保存を選び、食べる前に室温に戻してから食べることをおすすめします。
基本のフィナンシェレシピを覚えて本格焼き菓子を楽しもう
成功のポイントは焦がしバターの香りと温度管理
フィナンシェ成功の要は焦がしバターにあります。沈殿物の色と香りで適切なタイミングを見極め、火から下ろしたら即座に余熱を止めること——この判断力がフィナンシェの香りを決定します。慣れるまでは目を離さず、色と香りの変化に集中して作業しましょう。
卵白を泡立てずに混ぜるとしっとり仕上がる
フィナンシェは卵白を泡立てないこと、焦がしバターを適温で加えること、しっかり乳化させること——この3つの工程が「しっとりと詰まった本格的な食感」を生み出します。混ぜすぎも混ぜなさすぎもNG、ツヤが出たらちょうどよいサインです。
焼き加減を見極めて香ばしいフィナンシェに仕上げる
高温でしっかり焼いて側面と底面に香ばしい焼き色をつけることが、フィナンシェの最大の魅力を引き出す仕上げです。焼き上がったらすぐに型から外して冷まし、翌日のしっとりとした変化も楽しみながら食べてみてください。一度コツをつかめば何度でも作りたくなる、奥深い焼き菓子の世界を楽しんでください。